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肝臓の病気を知る治療

Q

肝機能と治療の関係を教えてください。

A

肝がんは慢性肝疾患を元に発生する場合が多いです。そのため、治療法はステージだけでなく、肝機能の状態を加味した上で決まります。肝臓がどのくらい機能しているかを評価する分類に、Child-Pugh分類があります。肝機能を点数化し、3段階に分けます。AからCの順に肝機能が低いことを表します。Aであれば、どんな治療も受けられますが、BやCは治療に制限がかかります。 

Child-Pugh分類

1点 2点 3点
脳症 ない 軽度 ときどき昏睡
腹水 ない 少量 中程度
血清ビリルビン値(mg/dl) 2.0未満 2.0~3.0 3.0超
血清アルブミン値(g/dl) 3.5超 2.8~3.5 2.8未満
プロトロンビン活性値(%) 70超 40~70 40未満

各項目のポイントを加算し、その合計点で下記に分類する。

  • A:5~6点
  • B:7~9点
  • C:10~15点

(臨床・病理原発性肝癌取扱い規約第6版より作成)

Q

肝がんの治療はどのようなことをするのですか?

A

治療は、手術、穿刺局所療法、肝動脈塞栓療法の3つが中心になります。肝がんの状態と肝機能を総合的に判断して治療法を決定します。下の図を、担当医と治療方針について話し合う際の参考にして下さい。

治療フローチャート

(肝がん診療ガイドライン2017年版より作成)

1.肝切除

肝切除をするかどうかは、がんの位置や大きさ、数、広がり、さらに肝機能の条件などによって決められます。体に対する負担が軽いため、腹腔鏡で行われる手術も増えてきています。

2.穿刺局所療法

体の外から針を刺してがんに対して局所的に治療を行うことです。この治療は、一般的にがんの大きさが3cmより小さく、3個以下が対象とされます。 今はラジオ波焼灼療法(RFA)が主流となっています。 体の外から特殊な針を直接刺し、通電することで針の先端部から高熱が発生して、局所的に焼いて死滅させる方法です。1本の針で焼灼する方法2~3本の針で焼灼する方法があります。後者の方が大きな範囲を焼灼できます。

3.肝動脈塞栓療法と肝動注療法

ともにカテーテルを使用する治療法です。肝動脈塞栓療法は、がんに栄養を運んでいる血管を人工的にふさぐ治療です。抗がん剤と肝がんに取り込まれやすい造影剤を混ぜてカテーテルから投与し、その後に塞栓物質を注入することが一般的です。肝動注療法はカテーテルを使用して、肝臓にのみ抗がん剤を注入する治療です。より進行している場合に行います。

4.抗がん剤治療

局所的な治療で効果が期待できない場合や転移がある場合などに行われます。分子標的薬が使われます。手足の皮膚障害、下痢、高血圧、肝障害などの副作用があります。脱毛もありますが、頻度は高くありません。最近、使用できる分子標的薬が増えてきています。

分子標的薬とは、がん細胞やがん細胞を助ける細胞がもつ分子(タンパク)にだけ反応することを目指して作られた薬物です。主にがん細胞の増殖に関わる分子が標的になっており、その分子の活動を邪魔することによってがんを攻撃します。分子標的薬は近年の進歩が著しい分野です。


5.放射線治療

骨に転移したときの痛みを和らげるためや、血管(門脈、静脈)に広がったがんに対する治療などを目的に行われます。肝細胞は放射線に弱いため、細心の注意が必要です。

6.肝移植

肝臓をすべて摘出して、かわりにドナー(臓器提供者)からの肝臓を移植する治療法です。肝機能が低下した肝硬変(Child-Pugh分類C)の場合に選択肢となります。肝がんでは、転移がない場合に限って行われます。

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