リンパ浮腫

リンパ浮腫とは、手術時のリンパ節切除(リンパ節郭清)や放射線治療により、リンパ管が切断されたり細くなったりして、リンパ液の流れが停滞し、治療を受けた部位の周辺の皮膚の下にリンパ液が貯まって、その部位がむくんだ状態になることです。

リンパ浮腫が起こると、重だるさを感じることがあります。重症化するとむくんだ部位の関節可動域に制限が出て、日常生活に支障が生じてきます。

リンパ浮腫の予防と治療

リンパ浮腫を予防するためには、リンパ浮腫が起こりうる体の部位の傷や炎症を避けるため、手術後より①スキンケアや②肥満を避けることが大切です。

リンパ浮腫を発症した場合には、上記①②に加えて、③弾性着衣や弾性包帯による圧迫療法、④圧迫をしている状態での運動療法、⑤手で行うリンパドレナージを組み合わせた複合的治療が有効です。

その他、医療的な方法として、リンパ管細静脈吻合術、脂肪吸引、リンパ節移植などの手術もあります。

しかし、手術を受けたとしても治療効果がずっと続くものではなく、再発するおそれがあります。再発を防ぐためには➀~⑤の複合的治療を続けること、コツコツとセルフケアを続けていくことが大変重要です。

リンパ浮腫治療の体制について

リンパ浮腫についての専門的知識や技術をもつ医療スタッフを一般的に「セラピスト」とよんでいます。リンパ浮腫のセラピストは、医師の診断、指示に基づいて患者さんにあった方法を提示したり、施術したりします。

リンパ浮腫のセラピストは、国の既定に沿った研修を修了し、技能試験を受け、認定されます。認定団体は複数あり、それぞれの基準で独自に認定しており、認定資格の呼称もそれぞれの団体で異なります。

リンパ浮腫のセラピストの養成課程は長期間におよぶこと、養成場所が限られるなどの理由から、全国的に不足しています。保険診療内で施術するには、厳しい保険適応の要件があり、保険外診療(自費診療)で実施している病院・診療所がほとんどのため、ある程度の費用負担が発生します。

もし「むくみ」の症状に悩んでおられる場合は、まずは、がん治療を受けた医療機関に相談してみましょう。リンパ浮腫の可能性を指摘された場合は、適切なセルフケアの方法や専門スタッフや医療的介入の必要性について、よく相談してみましょう。

リンパ浮腫の対応についてお困りの場合は、がん相談支援センターにご相談下さい。

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