がんサポートサイトえひめ

大腸の病気を知る治療

Q

大腸がんはどうやって治療するのですか?

A

内視鏡治療、手術治療、薬物治療、放射線治療があります。

<内視鏡治療>

がんが大腸の壁の最も浅い粘膜内にとどまるか、その下の粘膜下層にごくわずかに広がっている状態で、無理なく1回で切除できる大きさのものは大腸内視鏡をつかって取り切ることを目指します。

<手術治療>

内視鏡で取り切れないときは、外科的切除が必要です。がんがある部分を含む腸管と周囲のリンパ節を腸間膜と一緒に切除します。通常手術は全身麻酔で行われ、手術時間は通常3~4時間程度です。術後の経過が順調であれば、入院期間は約2週間です。

<薬物治療>

以下のような際に行われます。

  1. 根治手術ができないとき
  2. 手術後に再発したとき
  3. 手術後の再発予防(補助化学療法)

<放射線治療>

高エネルギーの放射線を照射し、がん細胞を攻撃する治療法です。

Q

内視鏡を使った治療の方法を教えてください

A

病変の形態や大きさに応じて内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があります。合併症としては出血や穿孔の危険があります。

「ポリペクトミー」は茎のある形のがんを切除します。「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」と「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」では大腸からの切り離し方が若干異なりますが、ともに病変のある部分の粘膜下に液体を注入し、周囲の壁から浮かせておいて切除します。

早期の大腸がんは内視鏡切除のみで治療可能です。その後の検査で、追加の手術がすすめられる場合もあります。

Q

手術方法にはどのようなものがありますか?

A

肛門に近い部分(直腸)とそれ以外(結腸)で手術の仕方が異なります。最近では腹腔鏡を使った手術が増えており、ロボットを使った手術も登場しています。

1.結腸の手術

がんとその前後の範囲を切除します。その後、残った結腸をつなぎ合わせます。

2.直腸の手術

がんの部位により、肛門を残す「括約筋温存手術(前方切除術)」肛門を残さない「直腸切断術(マイルズ手術)」の2つに大きく分けられます。 肛門に近いため、肛門括約筋(肛門をしめる筋肉)が残せない場合は肛門を含めて切除し、人工肛門を作ります。最近は技術の進歩によって肛門機能を残す術式が増えています(低位前方切除術など)。手術前に放射線治療と抗癌剤治療を併用することで、括約筋温存を目指す方法もあります。

3.腹腔鏡手術

お腹に1cm程度の穴を4~5個開けて、腹腔鏡と専用の手術用具をお腹の中に入れて行う手術です。開腹手術より、手術時間はやや長いもののキズが小さいため、痛みが少なく入院期間も短縮できます。ただし、進行している場合や癒着がある場合は行えません。

4.ロボット支援腹腔鏡下手術

直腸がんに対するロボット手術が保険適用となりました。ロボット手術では細かい手技が正確に行えるため、手術後の神経障害の予防に効果が高いとされています。

5.根治手術ではない手術(緩和手術)

病変が広がりすぎて完全に取り切ることが出来ないと思われる場合でも、大腸の病変部のみを切除することがあります。これを緩和手術と言います。症状の緩和や日常生活の維持に役立ちます。

6.転移・再発したときに行う手術

大腸がんは肝臓や肺に転移があってもその病巣を完全に切除することができれば治癒する事があります。胃がんやほかの消化器がんにはない大腸がんの特徴といえます。

Q

薬物療法にはどんなものがありますか?

A

薬物療法としては、化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤があります。

化学療法

化学物質を用いた治療で、がん細胞の増生を阻害することを目指します。組織分類などがんの特性に合わせて、薬剤が選択されます。比較的、適応範囲が広く、個別化医療の対象にならなかった場合も治療が行えるという利点があります。 手術前に切除する範囲を小さくするために抗がん剤が投与されることがあります。これを術前補助化学療法といいます。 また手術で病変が切り取れた場合でも、再発の危険性を下げるため、抗がん剤が投与されることがあります。これを術後補助化学療法といいます。

分子標的薬

がん細胞やがん細胞を助ける細胞が持つ分子(タンパク)にだけ反応することを目指して作られた薬物です。主にがん細胞の増殖に関わる分子が標的になっており、その分子の活動を邪魔することによってがんを攻撃します。分子標的薬は近年の進歩が著しい分野です。

免疫チェックポイント阻害剤

抗がん剤や分子標的薬ががん細胞を直接攻撃する薬であるのに対し、免疫チェックポイント阻害剤は自身のリンパ球に働き、もともと体にある免疫機構を活性化する薬です。がん細胞がもつ免疫から逃げる仕組みを邪魔することで、リンパ球にがん細胞を攻撃させます。近年の進歩が著しい分野です。

Q

放射線治療はどのようなときにしますか?

A

放射線療法は、放射線を照射して、がん細胞を攻撃する治療法です。手術前にがんを小さくして人工肛門を回避したり、術後の再発を抑制したりする目的で行われます。また、骨などに転移をしたときに痛みを和らげるために行われることがあります。

Q

人工肛門(ストーマ)とはなんですか?

A

腸の一部を1~2cmほど皮膚からお腹の外に出して、便の出口とするものです。ここに袋(パウチ)を付けて排便を管理します。

人工肛門のある人のことを「オストメイト」と呼びます。オストメイトになっても日常生活の制限はほとんどなく、手術前とほぼ同様の生活が可能です。また、オストメイトになると、市町村への申請により装具の給付や税の控除などの福祉サービスが受けられます。詳しくは担当医や相談支援センターにご相談下さい。

人工肛門に関する悩みやトラブルがあるときは、ストーマ外来/WOC外来、または皮膚・排泄ケア認定看護師にご相談下さい。

「ストーマ(人工肛門・人工膀胱)ケア」「褥瘡(床ずれ)ケア」「失禁(便や尿が漏れること)ケア」などに関するサポートを行う外来です。

ストーマ周囲の皮膚障害の予防とケア、ストーマ装具の選択と装着の方法、日常生活上の問題、社会資源の紹介など、少しでも手術前の生活に近づけるための支援を行います。

Q

手術後の生活はどうすれば良いですか?

A

運動や食事に特別な制限はありません。適度に身体を動かし「ゆっくり・よく噛んで・腹八分目」を心がけましょう。結腸がんの術後に生活への影響はほとんどありませんが、直腸がんの場合は排便習慣の変化や排尿機能・性機能の障害などの後遺症が残る場合があります。半年~1年かけてある程度までは改善してくるので、薬や生活パターンの工夫で上手に付き合っていきましょう。

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