子宮頸部の病気を知る診断

Q

どのように診断されるのですか?

集団検診や人間ドックなどの子宮頸がん検診では、細胞診・腟鏡診・内診を行います。

細胞診は子宮頸部から細胞を採取し、がん細胞や前がん病変の細胞がないかを判定する検査です。

細胞診で異常な細胞が見つかった場合にはコルポスコープという腟拡大鏡で病変が疑われる場所を狙って組織を採取します。

採取した組織を病理検査し、診断が確定されます。コルポスコープでは十分な観察ができない場合などには、子宮頸部を円錐状に切り取って検査することもあります。

Q

治療までにはどのような検査を受ける必要がありますか?

診断に必要なその他の検査方法(主に子宮頸がんの広がりをみる検査)としては以下のようなものがあります。

1.内診

腟から指を挿入して、もう片方の手でおなかの上を押さえて診察します。子宮や卵巣の大きさや硬さ、腫瘍の腟への広がりなどをみます

2.直腸診

肛門から指を挿入して、もう片方の手でおなかの上を押さえて診察します。子宮頸がんの骨盤側への広がりなどをみます。

3.骨盤MRI検査

骨盤内の病気の大きさや広がりをみるための画像検査です。

4.CT・PET-CT検査

全身の精密検査のための画像検査です。リンパ節や他の臓器への転移の有無をみます。

5.膀胱鏡

膀胱に細いカメラを入れて膀胱の中を観察する検査です。子宮頸がんの膀胱への浸潤が疑われる場合などに行います。

Q

ステージ(進行期)とはなんですか?

ステージとはどのくらい進行しているかの指標です。治療方法を決めるにあたって、まずはステージを正確に知っておく必要があります。

ステージは、その広がりによって0~Ⅳ期に分類されます。簡単にまとめますと次のようになります。

ステージ
0期 上皮内がん・CIN3
Ⅰ期 子宮にとどまるもの
Ⅱ期 子宮を超えるが、子宮の近くにとどまるもの
Ⅲ期 Ⅱ期を超えて広がっているが、Ⅳ期には至らない
Ⅳ期 膀胱や直腸の内腔、骨盤以外の臓器(肺や骨など)に広がる

(ステージ(進行期)簡易版 『子宮頸癌取扱い規約第4版』に基づく)

詳細な病期(ステージ)分類はこちらをご覧ください。

ステージ
0期 上皮内がん・CIN3・高度異形成など。腫瘍が上皮内にとどまる
Ⅰ期 子宮にとどまっているもの
ⅠA1期 (肉眼で見えない)浸潤部のサイズが長径7mm以下、深さ3mm以下
ⅠA2期 (肉眼で見えない)浸潤部のサイズが長径7mm以下、深さ5mm以下
ⅠB1期 肉眼で見える。あるいは、浸潤部のサイズが長径7mmあるいは深さ5mmを超える。ただし、4cm以下
ⅠB2期 4cmを超える
Ⅱ期 子宮をこえてひろがる(膣上部・卵巣・卵管・子宮傍組織など)
ⅡA1期 4cmを超えない
ⅡA2期 4cmを超える
ⅡB期 傍子宮組織(頸部の周囲で子宮を支える組織)に広がる
Ⅲ期 Ⅱ期を超えて広がっているが、Ⅳ期には至らない。
ⅢA期 膣下部1/3を超える
ⅢB期 骨盤壁に広がる、水腎症などを起こし、腎機能を廃絶、あるいはリンパ節に転移する
Ⅳ期 膀胱や直腸の内腔に至る。骨盤以外の臓器に広がる
ⅣA期 膀胱あるいは直腸の内腔に至る
ⅣB期 骨盤外の臓器に直接広がる、あるいは遠隔転移する

(ステージ(進行期)詳細版 『子宮頸癌取扱い規約第4版』に基づく)


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