- 治療をはじめるに当たって、結婚・妊娠・出産など多様なライフイベントに関わるので、将来について、よく家族や主治医と相談しましょう。
どこにできるがんですか?
子宮がんには、子宮体部にできる「子宮体がん」と、子宮頸部にできる「子宮頸がん」があります。子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部と呼ばれる部分から発生します。
子宮の入り口付近に発生することが多いので、婦人科の診察で観察や検査がしやすい病気です。
どんな種類がありますか?
ステージ(後述)に基づいて、初期の病変(上皮内がんなど)とそれ以外に分けられます。
- 上皮内がん
危険性が低く、比較的小さな範囲に対する治療で完全に治ることが期待できます。
どの細胞から発生したかでも分類されます。
- 扁平上皮癌
子宮頸部の外側を覆う扁平上皮に由来するもの。子宮頸がん全体の7割を占めます。 - 腺癌
内側に広がる頸管腺と呼ばれる腺上皮に由来する。子宮頸がん全体の3割弱を占めます。
どのくらいの人が子宮頸がんと診断されているのですか?
日本全国で1年間に約3万人(上皮内がんを含む)を超える人が子宮頸がんと診断されています。20代後半から増加して、40代でピークを迎え、その後横ばいになります。
原因は何ですか?
子宮頸がんの発生には、その多くにヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染が関連しています。
HPVは性交渉で感染することが知られています。しかし、感染してもほとんどの場合免疫によって排除されます。
HPVが排除されず感染が続くと、一部に子宮頸がんの前がん病変や子宮頸がんが発生すると考えられています。
また、喫煙により子宮頸がん発生の危険性が高まるといわれています。
予防する方法はありますか?
HPVの複数ある型のうち、子宮頸がんの発生と関連が深い一部の型のHPV感染を予防するワクチンが接種可能になっています。
しかし、ワクチン接種を受けたとしても定期的に検診を受けることが大切です。
子宮頸がん検診とはどのようなものですか?
検診はより危険が少ない状態のうちに病気を発見するためのものです。
検診の内容は、子宮頸部の細胞診および内診、問診、視診です。検査の結果が「要精密検査(がんの疑いあり)」となった場合は、必ず精密検査を受けましょう。
どのような症状が出ますか?
進行すると不正性器出血、性交時の出血や痛み、膿や粘液のようなおりもの、下腹部の痛みなどの症状がでます。そのような症状の場合は婦人科を受診しましょう。
また、がん検診や妊娠時の検診などで異常が指摘されたときは、必ず精密検査を受けましょう。