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乳がんは遺伝しますか?
乳がん患者の10~20人に1人が、遺伝的に発症しやすい体質をもっていると考えられています。表の項目に一つでもあてはまる場合には、遺伝カウンセリングを受けることをおすすめします。まずは一度主治医にご相談ください。
遺伝性乳がんを考慮すべき状況
- 40代かそれよりも若い
- 血縁者に乳がんと診断された方が複数人いる
- 血縁者に乳がんと診断された男性がいる
- 年齢にかかわらず以下の乳がん患者
- 血縁者に卵巣、卵管や腹膜、膵臓のがんと診断された人がいる
- 治療に関係する3つの因子(※)がいずれも陰性
(※)エストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター、ハーツー蛋白 - 何度か別のがんにかかっている
遺伝性乳がんの方は、発症に強く関わる遺伝子を生まれつき持っています。遺伝子検査によって、そうであるかどうかがはっきりする場合があります。
遺伝性であることがわかっていると、治療方針を決める際の参考になる場合があります。治療が落ち着いた後は、別のがんの可能性を考慮して、一般的な検診とは異なるプログラムを受けて発見を目指したり、場合によっては予防的な手術を受けるなど、その後の健康管理に役立てられます。また、同じ遺伝子の変化を持っているかもしれない血縁者の方と情報共有をすることで、その方も適切な健康管理について話し合うことができます。
遺伝性であることがわかっても、遺伝カウンセラーなどの専門職ともよく相談し、自分らしい選択をしましょう。