このページでは、治療のための病院選びの材料となるデータ類を紹介しています。
市町実施のがん検診を受けて詳しい検査が必要とされた方
データでみる原発不明がん
残念ながら原発不明がんに関する正確なデータはありません。
愛媛県の『原発不明がん』の件数は2年で158件(男性:70件、女性88件)です。(愛媛県全国がん登録罹患集計 2017-2018年)。
ただし、これは最終的に原発不明がんとして登録された患者さんの数であって、この数倍の方が経過中原発臓器が分からなくて治療にこまった経験を持つものと思われます。
スタッフ
専門医
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メディカルスタッフの体制
各病院のメディカルスタッフの体制はこちらをご覧ください。
- がん看護専門看護師:
日本看護協会により、がん患者と家族に対して専門的な視点でより水準の高い看護を提供出来ると認定された看護師です。 - 認定看護師:
日本看護協会が特定の分野に対して高度な役割を果たすことが出来ると認定した看護師です。 - がん専門薬剤師:
日本医療薬学会ががんの薬物療法等において医療現場で活躍しうる人材と認定したがん専門の薬剤師です。
診療体制
診断体制
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治療機器
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生活・療養の支援体制
栄養指導
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各病院の就労支援体制
下記のページをご覧ください。
各病院の取り組み
四国がんセンター
原発不明がんは「明らかながんでありながら、注意深い全身検索にも関わらず原発巣が明らかにならない腫瘍」と定義されています。
当院では平成28年4月より原発不明がん外来を開設しました。同外来では各科連携のもと画像診断(PET-CT、CT、MRI等)と組織診断(生検、胸腹水を用いた組織診等)を可及的短時間に行います。
腫瘍は原発巣によって性質や治療法が異なるため、的確な治療法を速やかに決定するためです。
2022年12月末まで診察した121例の原発不明がんの患者さんのうち、薬物療法を施行し奏効した方は約7割でした。早い診断と治療を行うことは有効です。
愛媛大学医学部附属病院
原発不明がんの加療では、がんがどの臓器や細胞から生じたかを推定する事は、治療方針に影響しとても重要です。
愛媛大学病院では、がんと診断された患者さんに対して、様々な診療科が連携し、どの臓器から発生しどの臓器に及ぶのかをまず調べます。
また、病理診断部で、診断パネルを用いた免疫組織化学検査、腫瘍マーカーの測定、遺伝子解析などを加え、原発不明がんの初発臓器や有効な治療を推定します。
症状のある患者さんには、からだや心の痛みの専門家、放射線治療の専門家、骨や筋肉の専門家などが連携し、早期の症状緩和に努めます。
さらに、がん診療の専門医療者で構成される“キャンサーボード”で治療方針を協議し、抗がん剤治療に詳しい専門医が治療を行います。
他の医療機関で原発不明がんと診断され、治療方針が悩ましい患者さんは腫瘍センターにご相談ください。
愛媛県立中央病院
原発不明がんの患者さんがおられたら、診療科よりがん看護専門看護師、がん薬物療法専門医に連絡が入り、キャンサーボードが速やかに開催されます。
放射線科医、病理医、関連診療科医師、認定看護師、担当部署看護師などが参加し、がん薬物療法専門医が司会をし、診断、治療方針について話合います。
原発不明がん診療ガイドラインなどを参考に、画像所見、病理所見、腫瘍マーカー等を検討し、原発部位を検討します。
臨床的に特定がん腫からの転移を強く疑えば、そのがん腫に対する治療を該当診療科で行います。
診断、治療についての方向性が困難な場合は、セカンドオピニオンを薦める方針とすることもあります。
松山赤十字病院
松山赤十字病院では、主治医が”原発不明がん”を疑った場合、迅速(1週間以内)にキャンサーボードを開催します。
キャンサーボードには、外科、内科、泌尿器科、婦人科、皮膚科、耳鼻咽喉科、臨床腫瘍科、病理診断科、放射線診断科、放射線治療科の各分野の専門家が参加する他、看護師、薬剤師、医療事務の多職種が参加します。
迅速に診断し、evidenceに基づいた最適な治療を提案すると同時に、不安の多い疾患ですので精神的なサポートについても協議します。
松山市民病院
原発不明がんの患者さんは転移巣の症状で松山市民病院に来院されることがあります。その時にはCT、MRI、超音波検査、内視鏡検査などの検査をして、各専門医が連携し、原発巣の発見と治療に当たります。この各科の連携の良さが松山市民病院の特徴と思います。場合によっては、四国がんセンター、松山赤十字病院、愛媛県立中央病院に紹介もします。
最近、高齢者の原発不明がんが増えていますが、検査から治療まで一連の治療を行い地域の病院への逆紹介も可能です。今後も原発不明がんに対しては病院全体で取り組んでいきます。
四国中央病院
病歴聴取や画像精査で十分に検索したにもかかわらず原発部位が不明な悪性腫瘍は原発不明がんとして扱われます。
必要以上に検査に時間を費やし、治療機会を逸することが無いように対応することが重要とされます。具体的には検査に費やす期間は1ヵ月以内とすべきとの報告があります。
したがって当院では速やかに専門施設に紹介し、その後の連携をおこなっていく方針としています。
また不安解消には正確な情報提供をおこなうことが重要ですし、すでに疼痛などの症状を有している場合には症状緩和することも大切な治療となりますので、しっかり対応いたします。まずはご相談ください。
済生会西条病院
原発巣が不明の場合には治療法の選択が難しいと考えられますが、治療を行ないつつ腫瘍の反応性をみて(診断的治療)種々の治療を行っております。緩和医療も含めてご本人と相談し、最も良い治療法を選択したいと考えております。
HITO病院
原発不明がんは、専門的な知識と経験が必要となる癌腫です。当院は治療のサポートという形で「現在の治療を維持する」「副作用を自宅の近くで対応する」などのお手伝いができます。
どの時期(治療中)でも結構ですので、皆様のかけがえのない生活にお役にたてるタイミングで当院外来(化学療法室)を受診いただければと願っています。