医療費はどれくらいかかりますか?
がん治療も、もちろん公的医療保険の対象です。
しかし高額な治療の場合、公的医療保険が適用されても、想像以上に自己負担が大きくなることがあります。
そのようなときは高額療養費制度を利用して、1カ月あたりの医療費負担を抑えることができます。『医療費が高額になった場合についての相談がある』とお近くのがん相談支援センターにご相談ください。
高額療養費制度とは
公的医療保険における制度のひとつで、病院や薬局などの窓口で支払った額が、1カ月(月初めから月の終わりまで)で一定額(自己負担限度額)を超えたときに、その超えた金額が支給される制度です。
自己負担限度額は年齢(70歳未満または70歳以上)と所得によって異なります(表1,2)。
医療を受ける前に限度額適用認定証を取得し、病院等の窓口に提示することで、医療費の支払額を自己負担限度額までにとどめることができます。
もし限度額適用認定証の提示ができず、自己負担限度額を超えて医療費を支払った場合は、事後に高額療養費支給申請をすることで、払い戻しを受けることもできます。また1年間に自己負担限度額を超える月が複数回ある場合、自己負担限度額が減額される場合もあります。加入している保険によって手続き方法や申請窓口が異なりますので、詳しくはお近くのがん相談支援センターにご相談ください。
(表1)70歳未満の自己負担限度額
所得区分 | 一月あたり自己負担限度額 |
---|---|
①区分ア(年収約1,160万円~の方) | 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% |
②区分イ(年収約770万円~約1,160万円の方) | 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% |
③区分ウ(年収約370万円~約770万円の方) | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% |
④区分エ(~年収約370万円の方) | 57,600円 |
⑤区分オ(住民税の非課税者等) | 35,400円 |
(表2)70歳以上の自己負担限度額(2018年8月~)
所得区分 | 一月あたり自己負担限度額 | ||
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外来 (個人ごと) |
外来+入院 (世帯ごと) |
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医療費が 3割負担 の方 |
Ⅲ 年収約1,160万円~ | 252,600円+(医療費-842,000円)× 1% | |
Ⅱ 年収約770万~約1,160円 | 167,000円+(医療費-558,000円)× 1% | ||
Ⅰ 年収約370万~約770万円 | 80,100円+(医療費-267,000円)× 1% | ||
一般 | 18,000円 | 57,600円 | |
住民税 非課税 世帯 |
Ⅱ Ⅰ以外の住民税非課税世帯 | 8,000円 | 24,600円 |
Ⅰ 年金収入80万円以下など | 15,000円 |
治療のためや体調が悪くて働けない場合、生活費はどうしたらよいでしょうか?
会社員や公務員が、病気のため仕事を休んでいる間の収入をカバーする制度として「傷病手当金」があります。
3日以上連続して仕事を休んだ場合、4日目以降の休んだ日に対して支給されます。
支給額は、およそ日給の3分の2相当額です。支給開始日から通算して1年6ヶ月に達する日まで受給可能です。
加入している保険によって手続き方法や申請窓口が異なりますので、詳しくはお近くのがん相談支援センターまでお尋ねください。