アピアランス(外見)ケアとは
がん治療により、脱毛、肌荒れ、爪の変化、手術の傷跡など、外見の変化が起こることがあります。
人からどう見られているか気になり、外出を控えてしまうなど悩むこともあると思います。
アピアランス(外見)ケアは、単に外見を美しく整えるのではなく、その人らしく生きることをサポートし、社会とつなごうというものです。
治療により、どのような外見の変化がおこりますか?
よく知られているものでは、薬物療法による脱毛があります。
それ以外には、色素沈着、肌荒れ、むくみ、爪の変色、手足が赤く腫れるなどの変化もあります。これらの変化は、全ての薬物療法で一様に起こるのではなく、使用する薬によって特徴的な変化は異なります。
その他、放射線治療では、放射線があたった部位に起こる皮膚炎や脱毛、外科手術では手術の傷などの変化があります。
このように、治療による外見の変化は、治療内容によって異なりますし、症状の程度には個人差もあります。
自分が受ける治療で、どのような外見の変化が起こる可能性があるのか、治療前に医療者から説明を聞いておきましょう。
抗がん剤で髪の毛が抜けますか?
抗がん剤は、がん細胞を攻撃し、がんの増殖を抑制するという効果をもつ反面、正常な細胞にも影響を与え、副作用を伴うことがあります。脱毛もその一つです。
しかし全ての薬剤で脱毛があるわけではなく、薬剤の種類や個人差によって副作用の出る程度が異なります。
治療中に脱毛が起こっても、ウィッグやつけ毛など生活スタイルにあわせた商品もたくさんありますし、バンダナや手作りタオル帽子などを用いて工夫することもできます。
また近年では、専用の器具で抗がん剤投与中に頭皮を冷やし、毛根が受けるダメージを抑えることで脱毛を予防・軽減する「頭皮冷却療法」を取り入れている施設もあります。
使用する薬剤によっては脱毛は避けられませんが、さまざまな対処法や予防法がありますし、治療が終わると多くの場合は時間の経過とともにまた生え始めます。
納得したうえで治療を受けられるよう治療前に主治医や看護師からよく説明をききましょう。
アピアランスケアについて、どこに相談すればよいですか?
アピアランスケアには、日常生活の工夫やセルフケアで対処できるものもあれば、症状の内容や程度によっては専門的なケアや受診が必要になる場合もあります。
治療前に対処法や受診の目安を医療者に確認しておきましょう。
がん相談支援センターでは、対応方法を一緒に考えたり、適切な医療者や専門部署につないだりして支援します。また、助成制度の活用方法などの情報提供も行っています。
外見の変化について不安がある場合は、医療者や、がん相談支援センターに相談しましょう。
アピアランスケアに関する情報は、どこで得られますか?
患者・家族総合支援センター「暖だん」
「患者・家族総合支援センター暖だん」では、ウィッグやケア帽子、ブレストケア製品(補整下着や人工乳房等)、メイク用品等、アピアランスケア関連の各種物品の展示や試着、相談対応を行っています。また医療者によるアピアランスケアセミナーを開催(不定期)しています。
セミナーの開催日時は「暖だん」のホームページ、イベント情報で確認してください。
- 患者・家族総合支援センター「暖だん」のホームページへ(外部サイトへリンクします)
県内の拠点病院等のがん相談支援センター
県内の拠点病院等では、ウィッグの展示や試着を行っているところもありますので、がん相談支援センターにお問い合わせください。どなたでも無料でご相談いただけます。
なお、治療内容、治療と仕事の両立等、アピアランスケア以外のことについてもご相談いただけます。ぜひお気軽にご相談ください。
ウィッグ・胸部補整具等を買うときに購入費の助成はありますか?
愛媛県では19の市町でウィッグ・胸部補整具等の購入費の助成を行っています。
各市町で助成内容が異なります。
頭皮冷却療法に用いるクーリングキャップの助成に対応している市町もあります。
お住いの市町のHPをご確認いただくか、がん相談支援センターまでご相談ください。
