GISTの病院を探す

このページでは、治療のための病院選びの材料となるデータ類を紹介しています。

データでみるGIST

以下のデータは愛媛県のがん診療連携拠点病院(7施設)・推進病院(8施設)の院内がん登録を独自に集計したもの、他県の情報は国立がん研究センターで集計されたもの(院内がん登録全国集計)を元にしています。

同じ人が二つのがんにかかっていたら2件登録されたり、複数の病院にかかるとそれぞれ登録されるため『1件が一人』というわけではありませんが、このサイトでは便宜的に1件を一人と標記しています。

みきゃんせんせいの わん ポイント 院内がん登録は、各病院が診療したがんについて、主に初回診療時の情報を記録したものだよ。がん診療の中身を調べたり病院を比較したりするのに役立つんだ。
病院の特徴や、家や職場からの通いやすさなど、自分にとって一番よいと思う病院をみつけよう

患者数(愛媛県 拠点病院・推進病院)

5年間(2019-2023年)に何人の患者さんが、この病気で、その病院をはじめて受診したかをグラフや表で示しています。

病院ごとの初診患者数合計と、患者さんの在住地別の内訳
  • 患者数の合計は右端に示しています。
  • その病院を受診した患者さんは、どこに住んでいる人が多いのかがわかるように二次医療圏別に棒グラフの中で色を変えています。(中予地方にある病院は、松山圏域に住んでいる患者さんを多くみていますが、他の圏域に住んでいる患者さんも中予地方にある病院を受診していることがわかります)
病院ごとの初診患者数合計(中予)

治療数(愛媛県 拠点病院・推進病院)

病院ごとの初回治療件数を表しています。

初回治療とは:院内がん登録の定義では、初めに計画され実施された一連の治療をいいます。

その病院で、どのような初回治療を行っているのかを件数で表しています。主な治療法である「切除」「薬物療法」について5年間に何件行ったかを数字で表しています。例えば、薬物療法を受け、その後切除手術を受けた場合、この一連の流れを初回治療といい、薬物療法・切除を1件ずつ数えています。

初回治療件数

みきゃんせんせいの わん ポイント 件数だけではなく、その病院の特徴や、家や職場からの通いやすさなど、いろいろな情報をあわせて、自分にとって一番よいと思う病院をみつけよう。

愛媛県外の病院の患者数

愛媛県以外の都道府県の拠点病院のGIST症例数に関しては、四国がんセンターの相談支援センターにお問い合わせください。

スタッフ

専門医

各病院の専門医の人数はこちらをご覧ください。

専門医

メディカルスタッフの体制

各病院のメディカルスタッフの体制はこちらをご覧ください。

  • がん看護専門看護師
    日本看護協会により、がん患者と家族に対して専門的な視点でより水準の高い看護を提供出来ると認定された看護師です。
  • 認定看護師
    日本看護協会が特定の分野に対して高度な役割を果たすことが出来ると認定した看護師です。
  • がん専門薬剤師
    日本医療薬学会ががんの薬物療法等において医療現場で活躍しうる人材と認定したがん専門の薬剤師です。
メディカルスタッフの体制

診療体制

診断体制

各病院の主な診断体制はこちらをご覧ください。

診断体制

病理・遺伝子診断

各病院の主な病理・遺伝子診断はこちらをご覧ください。

放射線治療機器

放射線治療機器

各病院の主な放射線治療機器はこちらをご覧ください。

治療体制

治療体制

各病院の主な治療体制はこちらをご覧ください。

放射線治療機器

生活・療養の支援体制

栄養指導

栄養指導はこちらをご覧ください。

栄養指導

各病院の就労支援体制

下記のページをご覧ください。

各病院の取り組み

四国がんセンター

当院ではがん薬物療法専門医4名を含む消化器内科・外科に加え、病理科や放射線科、がん化学療法看護認定看護師、がん専門薬剤師、管理栄養士、緩和ケア専門医など多領域・多職種の医師・スタッフが協力し、GISTの征圧を目指した治療を提供しています。

合同カンファレンスでは、治験・臨床試験の経験が豊富な専門家達が、最新の科学的根拠とがんセンターとしての経験に基づき、最良の治療方針を導きだすことに努めます。

GISTの薬物療法に用いられる分子標的薬の効果予測や、他の治療薬候補を調べるために行う「がんゲノム医療」が発展してきています。当院は四国で唯一の「がんゲノム医療拠点病院」であり、この分野において強みを持っています。多くの医療機関から患者さんをご紹介いただき、遺伝子解析に基づいて最適な治療方針を決定しています。

また、当院は中四国地域でトップクラスの数の新規薬剤の治験を行っており、標準治療がなくなった場合でも、新たな薬剤による治療の機会を提供できる体制を整えています。

愛媛大学医学部附属病院

GIST(Gastrointestinal Stromal Tumor)の頭文字を組み合わせて「ジスト」と呼ばれています。まれな腫瘍(希少がん)で、胃に最も多く発症し、ついで小腸、さらにその他の消化管に発症します。

治療の第一段階は切除であることから、愛媛大学病院でも、まずは消化器内科や消化器外科が内視鏡や手術で摘出を試みます。切除不能な場合に内科的(マチニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ、ピミテスピブなどの分子標的治療薬)治療が選択され、化学療法が専門の部門(消化器内科や消化器腫瘍外科の化学療法チーム、腫瘍センターの薬物療法専門医)が治療することになります。

また、治療や対応・ケアには、専門の治療チーム(化学療法が専門の医師・看護師、がん専門薬剤師、管理栄養士、緩和ケアチーム等)が関わるようにしています。

愛媛県立中央病院

当院では消化器内科、消化器外科を中心にGIST に対する加療を行っています。日本癌治療学会で作成された「GIST診療ガイドライン」に沿って治療を提供しています。 腫瘍径が2cm以上の場合は切除治療を行うほうが良いとされていますが2cm以下でも切除を実施しています。

消化器内科は内視鏡下粘膜下層剥離術の実施経験数が多く、また消化器外科でも胃癌ほかの胃手術に対する腹腔鏡手術の実施経験数が多い特徴があります(ただしロボット支援手術はGISTには適応としていません)。両者の技術を応用した腹腔鏡・内視鏡合同手術(laparoscopy and endoscopy cooperative surgery)による低侵襲手術を積極的に実施して根治性を担保しつつ切除範囲をできるだけ小さくして胃の機能の温存を図っています。

松山赤十字病院

松山赤十字病院では様々な臓器に発症する粘膜下腫瘍であるGISTの診断は消化管内科で行い、切除可能なGISTに対する手術と補助化学療法は外科で、切除不能・再発GISTの薬物療法は臨床腫瘍科で担当しています。

切除可能なGISTの治療の基本は外科手術による完全切除ですが、巨大なGISTでは切除不能なこともあります。そのような場合、イマチニブの投与より治療導入し腫瘍の縮小後に手術を行う事もあります。当院では腹腔鏡を用いた低侵襲な手術や特に胃のGIST症例では、腹腔鏡下手術+上部消化管内視鏡切除(LECS:腹腔鏡・内視鏡合同手術)も積極的に行っています。

GISTの薬物用法は、従来イマチニブ、スニチニブ、レゴラフェニブの3剤が順に使用されてきましたが、2022年6月にピミテスピブと言う新しい分子標的薬が使用可能になりました。ヒートショック蛋白阻害剤と言う新しい作用機序の薬剤ですが、夜盲症などの眼症状の副作用があります。総合病院である当院では眼科と共同診療しながら安全に十分配慮しながら新薬を導入しています。

済生会松山病院

当院では、消化器担当の内科、外科、放射線科など多領域の医師や医療スタッフが専門性を生かし、GIST治療ガイドラインに準拠しつつ、個々の患者様のGISTの状況に応じて最善の治療を提供できるよう心がけています。

根治可能なGISTに対しては、外科的切除が最優先となります。当院では、腹腔鏡を用いた低侵襲手術を第一選択としています。GISTには悪性度の高い症例もあるため、取り残しのない確実な切除が必要です。胃GISTに対しては、完全に腫瘍を切除するために消化器内科チームと外科チームが合同で腹腔鏡内視鏡合同胃局所切除術を積極的に行っています。また、再発予防が必要なケースに対しては、GISTリスク分類に応じた術後補助療法も実施しています。副作用についても十分に説明し、看護師や薬剤師を含むがん化学療法チームや皮膚科の先生方の協力を得て、安全に施行しています。

さらに、すでに転移を有するケースや難治性のケースについては、がんゲノム拠点病院に紹介し、患者様に最適な治療を提供できるよう努めています。

済生会今治病院

当院では消化器内科、消化器外科や病理診断科や放射線科の専門医などが協力をして、画像診断や超音波内視鏡(EUS)などを用いた精密検査を実施し、的確な診断に努めています。

腫瘍が比較的小さければ(5cm未満)腹腔鏡手術、大きければ(5㎝以上)開腹による手術での根治的治療を目指しています。

手術が困難な進行GISTには分子標的薬を活用し、腫瘍の縮小や進行抑制を図ります。

医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなど多職種でチーム医療を実践し患者さんの生活の質(QOL)向上を目指しており、心理的・社会的サポートにも力をいれています。

住友別子病院

当院では、GISTの診断および治療において、患者さんの負担を最小限に抑え、充実した医療体制を整えています。免疫組織染色による診断、外科的切除、内科的治療(化学療法)にも対応しており、患者さん一人ひとりの状況に応じた最適な治療法を、外科医、内科医、放射線科医、病理医が連携してご提案します。

治療に伴う有害事象についても、総合病院の強みを生かし、血液内科医による血液毒性、皮膚科医による皮膚毒性、循環器内科医による心血管系毒性、眼科医による眼障害、さらに専門の薬剤師や看護師が連携してチーム医療を提供しています。

また、GISTにおけるがん遺伝子パネル検査についても、他の医療機関と連携しながら診断から治療、新薬の臨床試験、治療後の経過観察まで、切れ目のないサポートを心がけています。患者さんのQOL(生活の質)の向上を目標に、医師、看護師、薬剤師をはじめとする医療スタッフが一丸となり、総合的な支援に取り組んでいます。

四国中央病院

当院では主に検診として上部消化管内視鏡検査を年間約5000件行っております。GISTは胃の粘膜下腫瘍(胃の粘膜表面からではなく、粘膜の下から発生する腫瘍)の中で最も頻度が高いのですが、多くは無症状であるため検診での拾い上げが非常に重要です。

GISTは大きさや悪性度によって性格が異なる腫瘍であり、当院ではガイドラインに準じて診断および治療を行っております。治療の中心となる手術から薬物療法、経過観察や緩和的治療まで幅広く対応しています。また、胃以外から発生したGISTについても当院では治療経験があり、大学病院をはじめとする高次医療機関との連携も密に行っております。

地域のみなさまに安心して最適な治療が受けられるよう努めて参ります。

HITO病院

当院のGIST診療の強み

当院では、消化管間質腫瘍(GIST)の診療において、高度な診断技術と専門的な治療体制を整えています。特に、内科と外科の緊密な連携により、患者さん一人ひとりに最適な治療戦略を提供できる点が強みです。

診断では、超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)を積極的に活用し、低侵襲かつ高精度な病変評価を行っています。経験豊富な医師が担当することで、安全に組織採取が可能です。さらに、採取した組織は消化管病理の専門医が詳しく解析し、正確な診断を行います。専門的な病理診断により、適切な治療方針の決定を支援します。

治療においては、外科との連携のもと、腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)を導入し、低侵襲で機能温存を重視した治療を行っています。特に小型GISTに対しては、従来の外科手術よりも身体への負担を軽減しながら、確実に腫瘍を切除できるのが特徴です。

HITO病院のモットーである「いきるを支える」医療を、GIST診療においても、スタッフ一同全力で提供し、皆様に安心して生活して頂けるよう努めてまいります。

市立宇和島病院

GISTに対し、当院では消化器内科と外科、放射線科や病理診断科が連携して、それぞれの専門性を活かして診断・治療を行なっています。

手術については、通常の開腹手術や腹腔鏡手術に加え、より低侵襲で体に優しい手術として、消化器内科と外科が合同で行う腹腔鏡内視鏡合同手術「LECS」を積極的に導入しています。さらに、再発や転移を伴うGISTに対しては、手術のみならず化学療法や放射線治療を駆使して集学的治療を行なっています。

南予地域で唯一GISTの診断・治療を行う病院として、今後も専門性の高い医療を提供できるよう心掛けていきます。

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愛媛県がん診療連携協議会© Ehime cancer conference.